11月15日日曜日。津奈木町で開催されたつなぎブロンズマラソンに参加しました。
津奈木での滞在制作が始まる前から、このマラソン大会に出たいと思っていて、それを目標に、滞在中、毎朝ランニングするんだ、と健康的な計画を思い描いていたのですが、結局一日も走ることなく...滞在を終えました...。
フルマラソンだと思っていたら、最長が10キロだと知って、なんだか気が抜けてしまったのです。
というのは言い訳で、「早朝ランニング」する精神を身に付けることは私にとってそう簡単な事ではありませんでした。
マラソン前日。
お泊りさせてもらっている、みっちゃん家でユニフォームの制作をしました。
こんなに散らかしてごめんね。
現在開催中の展覧会のチラシとポスターを使って、夜中にこそこそ、くるみちゃんと作っていました。
そう。今回のブロンズマラソンのゲストランナーは、友人の若木くるみです!
二人で活動したりもしていますが(ワカキ撮り計画)、津奈木でもこのような形で一緒に走ることができて、嬉しいです!
(私は、国内初マラソン!)
そんなことで、翌朝、
くるみの後頭部に町長の顔を描きました。
衣装も町長も無事に出来上がり、開会式に向かいます。
私も流れで壇上へ。
がんばりましょうー!
くるっと正面向いて、ダブル町長と記念撮影。
小国から、ジャージー牛が駆けつけてくれました!
(本当はジャージー牛ではなくて小国中の美術の杉先生です)
写真撮影をしてくれます!
昨日は土砂降りでしたが、今日は見事な晴天に恵まれました。
まずは、小学生の部。
スタート!がんばれー
10キロの部スタートまでには結構時間があります。
3キロの部。
5キロの部。
「なぜ若木くるみの後頭部に顔があるかと言いますと、マラソンの時に、自分より後ろを走っているランナーに元気になってほしいからなんです。」とか、少し時間があったので、そんな後頭部の由来の話をしました。
位置について。
ようい、ドン。
コース途中の町長の家の前で。豪邸です!
くるみちゃんは、町長と若木くるみの両方で走っていました。
「あら、町長にそっくりばい。」
津奈木町民はみんな、町長の顔を知っているからすごいです。
私は、チラシの束を持って、配りながら走りました。
津奈木町は、今年に入って人口5000人をきりました。
滞在中は、人が減っていくことを毎日のように実感していた。
寂しさがありました。
だけど、津奈木町には美術館があります。
小さな町ですが、美術館があります。
私はそれはとてもすごいことだと思っています。
くるみちゃんは、一人一人に大きな声援を送っていました。
今日、チラシを配りながら走ろう、なんて思っていなかったけど、スタートする前に急に今しかないと思って、そうすることにした。
マラソンの日という力を借りて、住民の方と近づける機会は今日しかないって思った。
津奈木の豊かな自然の中。
笑顔で声援を送ってくれる、沿道の方、おじいちゃんおばあちゃん。
変な格好のくるみちゃん、後頭部の町長、破れかけた紙の服で走る私。
変だけど、全然変じゃなかった。
私の中ではつじつまがあっていた。
「是非つなぎ美術館に来てください。」そんな風に自信を持って言えた。
津奈木町にすごく感謝している。
津奈木町での滞在制作、幸せだった。
町の美術館で展覧会できて嬉しい。
そんな気持ちが形になった。
だからこそ、町の人に見て欲しいんだ。
美術館、来てくれないかな。
折り返し地点通過する頃には、チラシはすべて配り終えた。
津奈木の岩肌、海、おれんじ畑、見たことある風景も知ってる道も、走っていると違う角度で見えてきて、一歩一歩踏み出すごとに、これまでの津奈木滞在の記憶を踏みしめるような、エンドロールみたいな、寂しくも少し清らかな、そう、走っているコースにはなんらかの思い出があって。
「今日は走らせてもらっています。」そんな気持ちだった。
楽しかった。
遠来賞、頂いちゃいました。
抽選会。沖縄旅行、期待してたけど、当たらなかった。
残念。
暮らした町のことが好きになって、そこで生まれた絵達のことも私は好きになった。
展覧会は時間。ただの時間。ただ時間があるだけ。
だけど、ただの時間の中で私は今日、好きな町を走ることができた。